一般の方がプロテインと聞いてイメージするのは、ムキムキのボディービルダーやジムに通ってストイックにトレーニングを行っている筋肉男子が飲んでいる、怪しげなサプリメントではないでしょうか?ところが、最近のプロテイン事情が大きく変わってきているってご存知ですか?近年、プロテインは運動している人だけの物では無く、「美容」「健康維持」「ダイエット」「栄養補給」など「筋力アップ」だけでなく、その目的や性別、年齢が多様化されています。
本来、栄養素は食品から摂るのが最も理想です。三食バランスの良い食事が摂れていれば何の問題もありません。しかし、きちんと栄養管理が出来ていない人の場合、サプリメント等に頼るのも有りだと思います。もちろん【サプリメント=栄養補助食品】なので、不足している部分の栄養素を補うという目的で使用するのが大前提です。近年では、そこが逆転してしまい「プロテインを飲んでいるから、肉や魚、豆類などを食べなくても問題ない」という間違った考え方の人も増えています。そこで今回は”2回に分けて”、プロテインについてお話ししたいと思います。
目次
■プロテインとは?
まず「プロテイン」と聞くと「運動選手やボディービルダーがトレーニング後に飲んでいる飲み物」というイメージが未だ多いように思います。実は「プロテイン」とは日本語で「たんぱく質」の事です。
サプリメント業界では、牛乳や大豆などからたんぱく質を抽出し、余分な脂肪や糖質をカットしたものを粉末や錠剤等にした製品をプロテインと呼びます。
プロテインを上手に使えば、カロリー等を気にせず不足しているたんぱく質を効率よく補う事ができます。また、牛乳や大豆から抽出した成分を使用しているプロテインは薬ではなく食品なので、お子様からご年配の方まで安心してお飲み頂ける栄養補助食品です。栄養の基本は食事から、そして不足分を上手にプロテインから補給できれば、効率よくカラダづくりが出来る近道だと思います。
■なぜボディービルダーやアスリートはプロテインを飲むの?
では、なぜボディービルダーやアスリートは、好んでプロテインを飲んでいるのでしょうか?誰もが思うようにたんぱく質は通常の食事から摂るのが一番の理想です。1日に必要なたんぱく質の量は年齢や性別、運動習慣などでも変わってきます。
もし、毎日ハードな練習に励んでいる部活生や、定期的にウェイトトレーニングやランニングをしっかり行っている人なら、体重1kgあたり2gのたんぱく質を摂る事が理想とされています。その場合、肉や魚、卵や大豆などを大量に食べなければなりません。例えば、牛のサーロインステーキ200gで約33g前後のたんぱく質が摂れますが、仮に1日に120gのたんぱく質が必要な人だと、牛のサーロインステーキを800g近く食べなければその数値はクリア出来ません。800gのステーキといえばボリュームもさることながら、同時に大量の脂肪やカロリーを摂取する事になります。これでは、いくらたんぱく質をしっかり摂れてもカラダに良くありません。
そこで、高たんぱくでありながら、脂質や糖質をカットした食品であるプロテインを使う事で、筋肉の材料であるたんぱく質を効率よく補給が出来る事から、ボディービルダーやアスリートはプロテインを愛用しています。
もちろん栄養補給の基本は食事からなので、あくまでもプロテインは不足した「たんぱく質」を補う役目という事は忘れないで下さい。
豆知識① 一日に必要なたんぱく質量の目安
Ⓐ 日頃、特に運動をしていない方・・・体重1kgにたいして0.9g (約1g)
Ⓑ 定期的にランニングなどの軽い運動をしている方・・・体重1kgにたいして1.2~1.7g (約1.5g)
Ⓒ ジムでマシーンやフリーウェイトなどを使い、週に数回しっかりトレーニングをしている、または部活やランニングなどで週に3日以上しっかり練習をしている方・・・体重1kgに対して1.8~2.0g(約2g)
例)週に3回ジムでウェイトトレーニングをしている、体重60kgの方なら・・・60kg×2g=120g となります。
豆知識② 食品に含まれるたんぱく質含量(100g/100mlあたり)
鶏むね肉(皮なし)・・・約22.5g
豚ロース・・・約19.5g
牛サーロイン・・・約16.5g
卵(卵白)・・・約11.5g
納豆・・・約16.5g
豆腐(絹ごし)・・・約5g
おから・・・約5g
豆乳・・・約3.5 g
牛乳・・・約3.5g
■ダイエットの味方プロテイン
最近話題の糖質制限ダイエットなど、体重を落としたいという目的で食事制限をされている方も多いのではないでしょうか?しかし、食事制限をすることでカラダに必要な栄養素までカットしてしまうと、これが後々大きな落とし穴となりリバウンドに繋がってしまいます。その栄養素こそが「たんぱく質」なのです。前にもお話しした通り、たんぱく質は筋肉の材料です。その筋肉の材料となるたんぱく質をカットするという事は、筋肉が作られなくなります。つまり、筋肉になるはずのたんぱく質が入って来なければ、筋肉は徐々に分解され細く小さくなって減っていきます。
カラダの中で一番カロリーが消費される場所は筋肉なので、この消費してくれる筋肉が減ってしまうということは、カロリー消費量も減ってしまう訳ですから、おのずと太りやすい体質になる事に繋がってきます。基礎代謝とは何もしないでただジッとしているだけでも消費するエネルギーの事です。筋肉量はこの基礎代謝に比例しているので、筋肉量が少なくなれば基礎代謝も落ちてくるため自然と太りやすい体質になってくるのです。
逆に、基礎代謝が高ければ、ただジッとしているだけでもカロリーの消費量が多いので、それだけでも太りにくい要素が増えるという事なのです。
だからこそ、食事制限をしている時こそたんぱく質をしっかり摂る事を心掛け、必要であればプロテインを利用する事をおすすめします。
■プロテイン(たんぱく質)の種類
よし❢ だったら、早速プロテインを買いに行こうじゃないか❢ 🏃 とお店へ行ったものの、その種類の多さに驚くのではないでしょうか?そこで、まずはプロテイン選びの基本となるプロテインの種類を簡単にご紹介します。
現在日本で製造されているプロテインは、大きく分けて牛乳のタンパク質を使った【ホエイプロテイン】と【カゼインプロテイン】、そして大豆のタンパクを使った【ソイプロテイン】の3種類に分かれています。では、これらのプロテインの違いは何でしょうか?
- ホエイプロテイン
現在のプロテイン界の王様、いわゆる筋力アップの目的で一番多くの方が利用しているプロテインといえば、この「ホエイプロテイン」でしょう。牛乳に含まれるたんぱく質の約20%がこのホエイたんぱくで、日本語では乳清(にゅうせい)といいます。よくヨーグルトを開けると表面に透明な液体が浮いていると思いますが、あの液体こそが「ホエイプロテイン」なのです。アスリートはもちろん、初級者から上級者までオールマイティーに使えるプロテインと言っても過言ではないので、迷った時は「ホエイプロテイ」を選べば間違いないでしょう。
ホエイプロテインの特徴は、吸収が早く運動直後のタンパク質補給に最も向いています。ホエイプロテインには、筋肉づくりの重要な鍵となるアミノ酸「BCAA」が豊富に含まれているので、カラダづくりや筋力アップが目的な方には特におすすめします。また、他の種類のプロテインに比べ水に溶け易く飲みやすいので、水さえあればいつでも美味しいプロテインが簡単に飲めるのも人気の秘密でしょう。
- カゼインプロテイン
ホエイプロテイン同様、牛乳から作られるプロテインとして「カゼインプロテイン」があります。「カゼインプロテイン」は牛乳に含まれるたんぱく質の約80%を占め、カゼインが乳酸で固められる事でヨーグルトが出来るのです。
「カゼインプロテイン」の特徴は、「ホエイプロテイン」に比べゆっくり吸収されます。主に、運動後は吸収の早い「ホエイプロテイン」を推奨していますが、ゆっくり吸収される「カゼインプロテイン」は、たんぱく質を長い時間に渡りカラダに補給できるといったメリットがあるので、運動後よりも就寝前に飲むことで、寝ている間のカラダづくりの材料として継続的に栄養を供給できます。また、ウェイトコントロール等が必要な競技での減量時(特に空腹時)に飲む事で空腹感を抑えられ、空腹時の筋分解を防ぐことにも役立ちます。ホエイプロテインに比べグルタミンの含有量が高いため、就寝中のリカバリー効果も期待出来るのではないでしょうか。
※日本では、カゼインプロテイン100%の商品の流通がほぼなく、大半は「カゼイン入りのプロテイン」として「ホエイプロテイン」と「カゼインプロテイン」を半分ずつ混ぜた形で販売されています。
- ソイプロテイン(大豆)
「ソイプロテイン」は名前の通り大豆から作られた植物性のプロテインで、ホエイプロテインと同様に「筋力アップ」や「カラダづくり」のプロテインとして利用できますが、代謝を上げカラダを引き締める効果が期待できる事から、ダイエット用のプロテインとして女性にも人気のプロテインです。また、「抗酸化作用」や「コレステロール値の低下」「ホルモンバランスの調整」などの効果も期待できる事から、ヘルシーで健康的なプロテインとして、日々の健康維持といったアプローチでも人気の様です。
カゼイン同様に吸収がゆっくりで、長時間に渡ってたんぱく質補給が可能です。ただ、水に溶けにくく粉っぽい事から、ホエイプロテインに比べると飲みにくく種類も少ない上に、味の好みも大きく分かれますので、ソイプロテインの特徴を好まれる方の目的利用に留まっているのが現状です。
■目的別プロテイン選びのまとめ
ホエイプロテイン・・・筋力アップ・カラダづくりに最適なプロテインの王様。
カゼインプロテイン・・・主に就寝時など長時間のたんぱく質補給が必要な場面に最適。
ソイプロテイン・・・筋力アップ・カラダづくり(主にダイエット)・健康維持に最適。
◎”次回は、プロテインの効果的な飲み方についてお話しします。”
どれくらいの量のプロテインを、どんなタイミングで何回数飲むのか、そんな効果的な「摂取量」「タイミング「頻度」をご紹介します。
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臼井
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