アドバイザー臼井が解説!「筋肥大におすすめのサプリメント」




理想のカラダづくりのため日々トレーニングに励む皆さんはどんなサプリメントを飲んでいますか?

私自身、現在もスポーツジムのトレーナーやスタジオでのエクササイズのインストラクターの仕事をしながら様々なアドバイスを行っております。そして、ジムの会員さんや競技選手のトレーニングを担当する時には、どんなサプリメントを飲んでいるのか伺っています。

日本もここ十数年の間に様々なサプリメントが市場に出回ってきています。そもそもサプリメントという言葉自体が今や普通に使われるほど身近なものになりました。「プロテイン」ひとつとっても一昔前はスポーツ選手や特別な人が飲んでいるものでしたが、今は学生からヨガに通う女性までが気軽に飲んでいる時代です。

そこで今回は、トレーニングをしている方の目的で一番多い「筋肥大」にスポットをあてて、私サプリメントアドバイザー臼井が「筋肥大を目指している方におすすめのサプリメント」と題して厳選してご紹介したいと思います。

「筋肥大」と聞くとボディービルダーの様なムキムキの筋肉を想像してしまいがちですが安心して下さい。そもそも「もう少し胸を厚くしたい」「もう少し腕を太くしたい」という目的も「筋肥大」のトレーニングになります。つまりジムに通っている方の多くは「筋肥大」を目的としたトレーニングを行っているという事になるのです。

そして、その「筋肥大」に最強のサプリメントはどんなものなのか?いつ飲むと良いのか?など、トレーニングしかり、そろそろ何かサプリメントを飲もうかと迷っている方のお力になれば幸いです。

 

目次

■プロテイン

カラダづくりの基本!筋肉はもちろん、骨、皮膚、臓器、毛髪、血液等を作る最も重要な栄養素

「プロテイン」とは日本語で「たんぱく質」の事です。サプリメント業界では、牛乳や大豆などから特殊な方法でたんぱく質を抽出し、粉末にした製品をプロテインと呼んでいます。また、牛乳や大豆に含まれる余分な脂肪や糖質を極力カットし、たんぱく質の含有量を上げる事で余分な成分やカロリー等を気にせずたんぱく質をピンポイントで効率よく補う事ができます。

たんぱく質は、筋力アップを目指すトレーニーには最も欠かせない栄養素ですが、他にも骨、皮膚、臓器、血液、毛髪、爪などもたんぱく質から作られているので、私たちのカラダには欠かせない栄養素ともいえます。たんぱく質はカラダの中でアミノ酸に分解され、そのアミノ酸が様々に組み合わさって色んな部位に生まれ変わっていくのです。

また、身体の組織の成長と発達、健康保持など日常活動を支える上でも最も重要な栄養素で、消化器官や脳神経系の機能を調節するホルモンの材料や、病気と闘う抗体もたんぱく質によって作られます。また、血液や組織が酸性やアルカリ性に偏り過ぎないように、体液のバランスを調整する役割も果たしています。

しかし、たんぱく質はカラダに溜めておくことが出来ない栄養素なので、毎回の食事などでしっかり補給する必要があります。特にしっかり部活に取り組んでいる方や定期的にトレーニングを行っている方なら一日に必要なたんぱく質の量は体重1kgに対し約2gといわれています。例えば体重60kgの方なら、60×2g=120gとなるので、もし一日の食事からたんぱく質の摂取量が不足しているようであればプロテインを使って不足分を補う様にすると良いでしょう。

■効果的なプロテインの摂取のタイミング

プロテインを飲むタイミングもいくつかありますが、今回は「筋力アップ」を目的としたサプリメント選びの話しをしているので、やっぱり一番効果的なのは運動直後です。運動やトレーニングで筋肉に大きな負荷がかかると、筋肉はダメージを受けます。すると筋肉は、次はこの負荷に負けない強くて太い筋肉になろうと、体内から成長ホルモンという物質を分泌し修復を始めます。つまり、この修復のタイミングに筋肉の素材となるプロテインをしっかり飲めば、傷ついた筋肉は効率よく修復されて強くて太い筋肉に成長していくのです。特に運動後30分以内はゴールデンタイムといって、成長ホルモンが最も活発に分泌されるので、しっかりプロテインを飲んで効率よく回復させるチャンスです。

また、睡眠中も成長ホルモンが活発に分泌されるので、就寝前(1時間ぐらい前)にプロテインを飲んでおくことで、寝ている間も継続的に筋肉の材料を提供し続けることができ効果的と言えるでしょう。運動をしない日に飲むならこのタイミングもおすすめです。

 

■マルチビタミン&ミネラル

微量でもカラダつくりには欠かせない重要な栄養素

ビタミン

ビタミンはタンパク質や糖質を代謝するのに重要な働きをする「働きアリ」的な役割をしています。また、「微量栄養素」といわれ微量でも体内の代謝に重要な働きをしているにも関わらず、自分の体内で作ることのできない化合物です。

例えば、三大栄養素の代謝をサポートするのがビタミンB1、B2、ナイアシンなどで、血管、筋肉、皮膚、骨などの健康維持に関わるのが主にビタミンA、D、B2、B6などです。効率の良い筋肉の合成を狙うのであればビタミンB群は必要不可欠という訳です。他にもビタミンA、C、Eなどは抗酸化作用があります。

ミネラル

身体の中に存在し栄養素として欠かす事ができないミネラルは16種類あります。私達の身体は酸素65%、炭素18%、水素10%、窒素3%の4つの主要元素とミネラルで作られています。つまり、カラダの96%が主要元素で構成されミネラルはたった4%にすぎないのですが、身体の組織作りや、身体機能の代謝や伝達の調整を担う潤滑油の役割があります。また、ミネラルは身体の中でつくる事が出来ないので、毎日の食事などからしっかり補給する事が必要です。

ビタミンやミネラルは単独で摂るよりも、総合的に摂った方が相乗効果が期待できます。例として「鉄」+「ビタミンC」や「カルシウム」+「ビタミンD」などの様に、ビタミンにミネラルをプラスする事で吸収率や利用率がUPするものも多いので、サプリメントとしては「マルチビタミン&ミネラル」というものを選んだ方が良いでしょう。

■効果的なビタミン&ミネラルの摂取タイミング

ビタミンやミネラルが効率よく吸収されるのはやはり食後です。特にビタミンA、E、D、Kは、脂溶性ビタミンと言って、油に溶け出しやすい性質があるので、油分を摂取する事が多い食事の時にまとめてビタミン&ミネラルを補給するのがベストです。但し、身体に留まる時間が短いビタミンもあるので、一度の食後にまとめて摂るよりも2~3回に分ける事をおすすめします。

 

BCAA

エネルギー源 筋合成 筋力アップ 集中力維持 疲労回復

 

人間のカラダを構成するアミノ酸は20種類あります。その中でも体内で作る事が出来ないため、食事から補給しなければいけないアミノ酸は9種類あり、それらを【必須アミノ酸】といいます。その必須アミノ酸の中でも、【バリン】【ロイシン】【イソロイシン】の3つは【分離鎖アミノ酸】といい【Branched Chain Amino Acids】の略称から【BCAA】と呼ばれています。このBCAAは筋肉を構成するたんぱく質に含まれる必須アミノ酸の約35%を占め、カラダづくりや筋肉のエネルギー代謝など運動に深く関わっています。

 

BCAAは「筋肉の材料」になったり「エネルギー」としても利用されます。他にも「集中力の維持」に役立ちます。

激しい運動では糖質や脂肪以外に、BCAAも運動中のエネルギーとして消費され、不足してくると筋肉中のBCAAも使われてしまいます。すると筋肉は徐々に分解をはじめ筋肉の損傷や筋力の低下が起こりパフォーマンスや回復に影響が出てきます。つまり、運動前や運動中にしっかりBCAAを摂取していれば、せっかく鍛え上げ手に入れた筋肉が分解されるのを防ぐことが出来るのです。運動中の筋分解を抑える事が出来れば、最高のパフォーマンスを維持でき、運動後の回復もより早いはずです。

 

但し、プロテインのようにカラダづくりに必要なアミノ酸が全て入っている訳ではないので、BCAAだけでカラダづくりを補う事が出来ません。プロテインとは別の物と考えて下さい。

クレアチン

今よりもっと強く!早く!高く!そんな瞬発力の源

クレアチンとはアミノ酸の一種で、体内でもある程度は合成されています。クレアチンは高強度のトレーニングや瞬発力が必要なスポーツ時に素早いエネルギー生産を手助けしてくれるので、「あと3cm」「あと0.1秒」「あと5kg」など瞬発力が必要な競技やトレーニングの時に効果的です。クレアチンはアルギニン・グリシン・メチオニンというアミノ酸から合成され、肝臓、腎臓、膵臓で作り出され、全体の95%ほどが筋肉内に存在する他、脳内や神経細胞でもエネルギーを作り出しています。高強度のトレーニングなどで筋肉のエネルギーが大量に消費する時など、体内に大量のクレアチンがストックされていれば、通常より強いパワーを出す事が出来るといえばわかりやすいでしょうか。

瞬発力や高強度トレーニングのパフォーマンス向上

クレアチンを飲むことによって、瞬発力や挙上重量の増加などの効果が期待できます。

これはクレアチンを摂ることによって筋肉内のクレアチン量が増え、より大きなパワーを出す事が可能になります。使いかけのバッテリーより、フルパワー充電されたバッテリーの方がよりライトが明るく光ると言えば納得して頂けるでしょうか。「挙上重量に伸び悩んでいる方」「より速く走りたい、泳ぎたい」「より強く遠くに投げたい、蹴りたい」を望んでいるアスリートには、飲む価値のあるサプリメントと言えるでしょう。

・筋肥大や除脂肪体重の増加

クレアチンを飲むことによって、より高強度なトレーニングが可能になります。

より高強度なトレーニングが出来ることで、より強い筋肥大をおこす事ができます。今までの80kgのベンチプレスが85kgで出来る様になったり、90kgで5回しか挙がらなかったのが8回挙げられる様になれば、より高強度なトレーニングが可能になります。もし、クレアチンを飲んで100kgのベンチプレスが出来るようになれば、100kgの高強度な重量でトレーニングが可能になります。ですから、例えクレアチンを飲む事を止めてしまってもその後100kgが挙がらなくなる事はありません。

また、クレアチンを飲み始めると、筋肉内のクレアチン量が増えるのでそれを調整しようと、筋肉に水分を引き込もうとします。その結果、除脂肪体重が増えると言われています。

 

ローディング

ローディングは一般的なクレアチンの基本的な飲み方で、一般的には飲み始めの最初の5日間は、朝・昼・晩・寝る前などの一定間隔で1回5g程度を1日4回飲みます。このように最初の5日間で大量のクレアチンを摂ることで、その効果を早く引き出す事が出来ます。その後、6日目からは1日1回5g程度を飲んで、常にカラダの中のクレアチン量をMAXにキープしておきます。ですからトレーニングの有無に関係なく毎日お飲み下さい。

 

クレアチンの摂取を止めると、徐々に体内のクレアチン量が減っていきます。その為、2~3週間クレアチンを摂らなかった場合は、また最初のローディングから始める事をおすすめします。

 

※クレアチンの1回分の目安はパッケージの記載を参考にして下さい。また、価格の高いクレアチンの中にはローディングが不要の商品もございます。

 

・飲み方

クレアチンの多くはパウダー状です。その為、水やお湯に溶かして飲む方法が一般的だと思います。ただ、一般的なクレアチンは溶けにくく、カラダへの吸収もあまり良くありません。そこで、少しでも吸収率を高めるポイントとして、糖質と一緒に摂ると良いでしょう。フルーツジュースなどがおすすめですが、クレアチンは酸に弱いので、酸味の強いグレープフルーツジュースやオレンジジュースより、グレープやアップルジュース等がおすすめです。最近では、高価ですが水で飲め、溶けやすく吸収しやすい製品も増えてきています。

 

※注意:クレアチンを飲んでいる期間は、筋肉内に大量の水分が引き込まれます。その為、人によっては足がつりやすくなる等の影響が出る場合がございますので、普段より多めに水分補給をする事を心掛けて下さい。

■まとめ

今回は「筋肥大」を目的としたおすすめのサプリメントを厳選して紹介しました。しかし、サプリメントはあくまでも栄養補助食品です。このサプリメントを飲めば筋力アップするのではなく、日々のトレーニングや練習があってこそサプリメントが効果を最大限に引き出してくれるのです。

また、たくさん飲めば効果があるというわけではないので、パッケージなどに書かれた用法、用量を守ってお飲みください。

 

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臼井

臼井

スポーツ専門学校在籍中に、㈱ゴールドウィン・スポーツサポートのクロストレーナー養成機関に参加しその後入社。スポーツクラブやスポーツ施設、ホテルなどでトレーニング、エアロビクス、アクアエクササイズ、スイミングの指導を行い、現在はフィットネスアドバイザーとしてトレーニングやエクササイズ、栄養学、サービスなどの指導、教育を行う。 ■フィットネストレーナー ■JNF公認サプリメントアドバイザー ■米国ISNF公認サプリメントアドバイザー ■(社)全日本ノルディックウォーク連盟  ノルディックウォーク公認指導員






2 件のコメント

  • 臼井さんこんにちは。袋ウと申します。

    朝食をカロリーメイトにし一日分の野菜(200ml紙パック)を飲む生活をしているのですが、朝食の省力に使うならカロリーメイトよりプロテインの方がよいのではと思いネットで検索したところここへ行きあたりました。
    本格的にダイエットをするつもりは(まだ)なく、通勤の際電車内で座らないようにしている(往復二時間)程度です。

    減量にはザバス等の大豆プロテインがおすすめとのこと(過去記事より)でしたが、日常的に朝食の代わりとして摂る場合どのくらいの量が目安となるでしょうか?

    • 袋ウ様

      こんにちは。ご相談ありがとうございます。

      現在、朝食代わりにカロリーメイトと野菜ジュースのところを、大豆プロテインに代えようと思っているのですね。
      確かに、寝ている間に体内のたんぱく質は身体の修復に使われ朝起きた時には不足している状態なので、朝食にたんぱく質を補給するという事でプロテインを利用するのはとても良いと思います。また、一日に必要なたんぱく質量がしっかり摂れていないと筋肉は徐々に落ちてしまい、結果として太りやすい身体になってしまうので、そういった部分ではピンポイントにたんぱく質が摂れるプロテインはお勧めです。

      しかし、ダイエットとはいえこれから一日活動する際の食事がプロテインだけとなると、炭水化物の様な即効性のあるエネルギーの素となる栄養素が少な過ぎると思います。また、プロテインは効率よくたんぱく質が摂取できるサプリメントである一方、それ以外の栄養素が非常に少ないというデメリットもあります。通常の朝食にプロテインをプラスするというのであれば私も大賛成ですが、プロテインのみとなるとあまりおすすめとはいえません。(減量を必要とするスポーツ選手が減量時の最終手段として一時的に行うのであれば問題ありません)

      もし、朝食代わりにプロテインを使うのであれば、食事の代替えとなる専用のプロテインが良いと思います。代替え食のプロテインは身体に必要な栄養素がある程度バランスよく配合されているので、一日一回程度であれば代替え食として使用しても問題はないと思います。

      追伸・・・ご質問にありました「日常的に朝食の代わりとして摂る場合どのくらいの量が目安となるでしょうか?」のご質問ですが、「食事代わり」や「運動後」など関係なく、基本的なプロテインの1回量は15~25gが一般的な目安なので、どの様な場合でもプロテインの一食はこの範囲内でご使用下さい。(それぞれのプロテインのパッケージに記載されている1回量で問題ないと思います)

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    臼井

    スポーツ専門学校在籍中に、㈱ゴールドウィン・スポーツサポートのクロストレーナー養成機関に参加しその後入社。スポーツクラブやスポーツ施設、ホテルなどでトレーニング、エアロビクス、アクアエクササイズ、スイミングの指導を行い、現在はフィットネスアドバイザーとしてトレーニングやエクササイズ、栄養学、サービスなどの指導、教育を行う。 ■フィットネストレーナー ■JNF公認サプリメントアドバイザー ■米国ISNF公認サプリメントアドバイザー ■(社)全日本ノルディックウォーク連盟  ノルディックウォーク公認指導員